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「あなたへの想いを、千年の言葉で伝えたい」——そう感じたとき、百人一首の恋歌はきっと力になってくれます。
平安時代から鎌倉時代にかけて詠まれた百首の歌を集めた小倉百人一首には、切なさ・喜び・誓い・永遠への祈りが凝縮された恋歌が数多く含まれています。結婚式の招待状、ウェディングスピーチ、席次表の一言添え書き、和婚の演出……あらゆる場面で、和歌の言葉は場に品格と温かみをもたらしてくれます。
本記事では、プレ花嫁・新郎新婦のみなさまに向けて、結婚式で使いやすい百人一首の恋歌を厳選してご紹介します。歌の意味・背景・活用シーンまで丁寧に解説しますので、ぜひ大切な日の演出にお役立てください。
・百人一首(小倉百人一首)とはどのような歌集か
・結婚式・和婚の演出に活用できる恋歌10首の現代語訳と背景
・招待状・スピーチ・席次表など場面別の活用アイデア
・歌の選び方・組み合わせ方のポイント
・百人一首関連の書籍・グッズの選び方と購入先
1. 百人一首とは?——千年を超えて受け継がれる恋の歌集
小倉百人一首の成立と歴史
小倉百人一首は、鎌倉時代初期の歌人・藤原定家(ふじわらのていか、1162〜1241年)が編纂したとされる歌集です。定家が京都・嵯峨野の小倉山荘(現在の常寂光寺周辺)で、友人・宇都宮頼綱の求めに応じて百首を選んだという逸話が残っており、「小倉百人一首」の名はこの地名に由来するといわれています。
収録される歌は、飛鳥時代の天智天皇(在位668〜672年ごろ)から鎌倉時代初期の順徳院(1197〜1242年)まで、約600年間にわたる100人の歌人がそれぞれ1首ずつ選ばれています。男性歌人79名、女性歌人21名という構成であり、女性歌人の作品が多く収録されている点も特徴のひとつです。
百人一首に占める恋歌の割合
百人一首の100首のうち、恋を主題とした歌(恋歌)は43首を占めるといわれています。これは全体の約43%にあたり、季節・自然を詠んだ歌に次いで多い部門です。平安時代の宮廷文化において恋愛は詩歌の中心的なテーマであり、「恋心をいかに美しく言葉にするか」が教養ある人間の証とされていました。
そのため百人一首の恋歌は、単なるロマンスの告白にとどまらず、相手への深い敬意・永遠への誓い・別れの悲しみと再会への祈りなどが、洗練された言葉で表現されています。現代の結婚式に用いるにふさわしい品格と深みを、これらの歌は十分に備えています。
なぜ結婚式に和歌が合うのか
和歌には「縁語(えんご)」「掛詞(かけことば)」「枕詞(まくらことば)」といった技法が用いられており、ひとつの言葉に複数の意味が重なり合います。たとえば「逢ふ」は「出逢う」と「合う(調和する)」、「かける」は「懸ける(橋を懸ける)」と「賭ける(命を賭ける)」を同時に表すことができます。この「言葉の二重性」が、結婚という場——ふたりが出会い、人生を合わせ、誓いを懸ける——と深く共鳴するのです。
また、和歌は五七五七七の31音(三十一文字、みそひともじ)で完結する短詩であり、招待状の余白・席次表の添え書き・スピーチの一節など、あらゆる場面にそっと添えやすいという実用的な利点もあります。
2. 結婚式で使いたい百人一首の恋歌 厳選10首
(1)永遠の誓いを詠む歌——君がため
第17番 在原業平朝臣(ありわらのなりひらあそん)
「ちはやふる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは」
(現代語訳)神代の昔にも聞いたことがない。竜田川が、紅葉で真っ赤な唐紅色(からくれない)に水を絞り染めにするとは。
在原業平は六歌仙のひとり。この歌は秋の竜田川の紅葉を詠んだものですが、「竜田川」という縁起のよい地名(奈良県・旧大和国)と鮮やかな紅色が、和婚の席に華やかさをもたらします。また映画「ちはやふる」でも有名になったこの歌は、現代でも広く知られており、スピーチで引用しても伝わりやすいという利点があります。和婚・神前式の装飾テーマとして、紅葉と竜田川のモチーフを用いる場合の添え書きに最適です。
(2)深い愛を誓う歌——逢坂の関
第62番 清少納言(せいしょうなごん)
「夜をこめて 鳥のそら音は はかるとも よに逢坂の 関はゆるさじ」
(現代語訳)夜が明けないうちに鶏の鳴き声をまねて函谷関を開けさせた故事のように、そんなごまかしでは逢坂の関は決して開かない(私の心は許さない)。
清少納言が機知あふれる返歌として詠んだこの歌は、「逢坂」に「逢う(会う)」が掛けられています。「逢う」という言葉が婚礼の場にぴったりであり、「ふたりが出逢えた奇跡」「何があっても離れない誓い」を伝える文脈で活用できます。招待状の一言メッセージとして、少し風変わりで印象的な選択になるでしょう。
(3)初めての恋・出逢いの喜びを詠む歌
第13番 陽成院(ようぜいいん)
「筑波嶺の 峰より落つる みなの川 恋ぞつもりて 淵となりにける」
(現代語訳)筑波山の峰から流れ落ちるみなの川(男女川)のように、積もりに積もった私の恋心はとうとう深い淵になってしまった。
「筑波嶺」「みなの川」は常陸国(現在の茨城県)の歌枕。小さな流れが淵になるように、出逢いのときめきが深い愛情へと育っていく様子を詠んでいます。「ふたりの愛がこれからも深まりますように」という祈りを込めたウェディングスピーチの締めくくりに活用できます。
(4)相手への一途な想いを詠む歌
第43番 権中納言敦忠(ごんちゅうなごんあつただ)
「逢ひ見ての のちの心に くらぶれば 昔はものを 思はざりけり」
(現代語訳)あなたと逢って結ばれたあとの切ない心持ちに比べれば、逢う前はなんにも悩んでいなかったのだなあと思う。
「愛するほどに深まる想い」を詠んだこの歌は、「出逢えてから、あなたのことしか考えられなくなった」という新郎から新婦への告白として、誓いの言葉やプロフィールムービーのナレーションにも使えます。シンプルでありながら感情の深さが伝わる、スピーチ向きの一首です。
(5)永遠に変わらぬ愛を詠む歌
第14番 河原左大臣(かわらのさだいじん)
「陸奥の しのぶもぢずり 誰ゆゑに 乱れそめにし われならなくに」
(現代語訳)陸奥の信夫もじずり(乱れ模様の染め物)のように、いったい誰のせいで私の心は乱れ始めたのでしょう——あなたのせいだとわかっていながら。
源融(みなもとのとおる)が詠んだとされるこの歌。「乱れ染め」という表現は、衣装や小物の染め文様と結びつき、和婚の装飾テーマとしても活用しやすい歌です。紋様・染め物へのこだわりがある花嫁さんの、席次表の添え書きとして品よく使えます。
(6)添い遂げる覚悟を詠む歌
第20番 元良親王(もとよししんのう)
「わびぬれば 今はた同じ 難波なる みをつくしても 逢はむとぞ思ふ」
(現代語訳)もうこれ以上悩んでも同じこと。難波(大阪)の澪標(みおつくし・水路を示す杭)のように、我が身を尽くしてでもあなたに逢いたいと思う。
「みをつくし」は「澪標」と「身を尽くし」の掛詞。「身を尽くして愛する」という決意の表現は、婚礼の誓いの言葉として力強い説得力を持ちます。大阪にゆかりのある方、または水辺をテーマにした結婚式に特におすすめです。
(7)ふたりで過ごす時間の尊さを詠む歌
第40番 平兼盛(たいらのかねもり)
「しのぶれど 色に出でにけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで」
(現代語訳)我慢しようとしていたのに、気持ちが顔に出てしまった。「何か物思いしているの?」と人に問われるほどに。
恋をすると隠しきれないほど表情に出てしまうという、普遍的で微笑ましい感情を詠んだ歌。「あなたといると、幸せが顔に出てしまいます」という温かいメッセージとして、披露宴での友人スピーチや、席次表の新郎新婦プロフィール欄に添えると、会場に笑顔が広がります。
(8)別れを乗り越え再会を喜ぶ歌
第41番 壬生忠見(みぶのただみ)
「恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか」
(現代語訳)恋をしているという私の評判が、もう広まってしまった。誰にも知られないよう、ひそかに思い始めたばかりだったのに。
恋の噂が立ってしまった戸惑いと、ひそかな恋のときめきを詠んだ歌。「ふたりの恋が周りにバレてしまったエピソード」を披露宴で語る際に引用すると、ユーモアと雅みを両立したスピーチになります。友人・同僚からの乾杯スピーチのつかみにも。
(9)長く続く愛を詠む歌
第42番 清原元輔(きよはらのもとすけ)
「契りきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 波越さじとは」
(現代語訳)約束したではないか。互いに袖を涙で濡らしながら、末の松山を波が越えることはないように——決して心変わりしないと。
「末の松山」は陸奥国(宮城県・多賀城市付近)の歌枕で、「波が越えない=永遠に変わらない」という意味の慣用表現です。「永遠の愛の誓い」という結婚式の本質そのものを詠んだ歌であり、誓いの言葉の締めくくり、または招待状の巻頭言として非常に格調高く使えます。
(10)幸福な未来への祈りを詠む歌
第26番 貞信公(ていしんこう)藤原忠平
「小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば 今ひとたびの みゆき待たなむ」
(現代語訳)小倉山よ、峰の紅葉の葉よ、もし心があるなら、もう一度だけ天皇のお出ましを待ってほしい(散らずにいてほしい)。
「小倉百人一首」発祥の地・小倉山を詠んだこの歌は、百人一首そのものとの深いつながりがあります。「今この美しい瞬間を、いつまでも大切に」という想いを伝える言葉として、秋の結婚式や紅葉をテーマにした和婚の演出に特によく合います。
3. 場面別・活用シーン別ガイド
招待状・席次表への添え書き
招待状に一首添えることで、受け取ったゲストは「この式に特別な思いが込められている」と感じます。文字数が少ないため、縦書きで印刷しても余白に自然に収まります。おすすめの歌は以下のとおりです。
| 歌人 | 歌(冒頭) | 向いているシーン | 関連書籍 |
|---|---|---|---|
| 藤原忠平 | 小倉山 峰のもみぢ葉… | 秋の結婚式・招待状巻頭言 |
|
| 清原元輔 | 契りきな かたみに袖を… | 誓いの言葉・招待状巻頭言 |
|
| 平兼盛 | しのぶれど 色に出でにけり… | 席次表プロフィール・友人スピーチ |
|
ウェディングスピーチへの引用
スピーチで和歌を引用する際は、①まず現代語訳を述べ、②そのあとに原文を読むという順序が、ゲストにとって理解しやすくなります。原文だけを突然読み上げると、意味が伝わらないままになる可能性があります。スピーチ構成の一例を以下に示します。
【スピーチ引用の例文】
「百人一首に、こんな歌があります。『積もりに積もった恋心は、いつしか深い淵になってしまった』——陽成院の歌です。
〇〇さんとお付き合いを始めた頃から、△△さんはいつも〇〇さんのことを話してくれていました。その想いはまさに、流れ続けて淵になった川のように、深まり続けていたのだと思います……」
プロフィールムービー・映像演出への組み込み
プロフィールムービーに和歌のテロップを入れる場合は、縦書きフォント(游明朝・ヒラギノ明朝等)を使用し、紙の質感のある背景(和紙テクスチャ)と組み合わせると格調が増します。文字色は金茶(#8B4513)・墨黒(#1a1a1a)・朱赤(#C0392B)のいずれかが和婚には似合います。映像のBGMは雅楽・箏曲(こそうきょく)・尺八との相性が抜群です。
4. 和婚・神前式での演出アイデア
百人一首をテーマにした和婚演出
和婚の披露宴では、百人一首を演出のコンセプトに取り入れることができます。以下に代表的なアイデアをご紹介します。
- かるた取り演出:ゲスト参加型のかるた取り大会(5〜10首)を余興として実施。読み手を新郎新婦のどちらかが担当すると一体感が生まれます。
- 絵札ウェルカムボード:お気に入りの恋歌の絵札(複製・印刷品)を大きくしたウェルカムボードとして受付に飾る。
- 席次表の添え歌:テーブルごとに異なる恋歌を1首ずつ割り当て、それぞれに現代語訳と一言コメントを添える。
- 引き出物カードへの印字:引き出物のメッセージカードに選んだ一首とその訳文を縦書きで印字する。
- 和歌の書道色紙:二親への感謝の言葉として、書道家に依頼して選んだ恋歌を色紙に揮毫(きごう)してもらい、花束贈呈のタイミングで渡す。
絵札・かるたグッズを活用したデコレーション
装飾に使える百人一首関連グッズを以下の比較表にまとめました。選ぶ際は「原本に忠実な絵柄か」「印刷品質が高いか」「サイズ展開があるか」を確認するとよいでしょう。
| グッズ種類 | 特徴・用途 | 参考価格帯 | 購入先 |
|---|---|---|---|
| 百人一首かるたセット(装飾用) | 絵札100枚フルセット。額装してウェルカムスペースに飾れる。 | 3,000〜15,000円(参考価格) |
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| 和歌 書道色紙(オーダー品) | 書道家によるオーダー揮毫。引き出物・感謝状として。 | 5,000〜30,000円(参考価格) |
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| 百人一首 解説書・図録 | 意味・背景を深く学べる書籍。テーブルに置いてゲストが手に取れるように。 | 1,500〜4,000円(参考価格) |
|
| 和歌ポストカード・レターセット | 招待状の同封や席次表の添え書きカードとして使用。 | 500〜2,000円(参考価格) |
|
5. 歌の選び方と組み合わせのポイント
季節・挙式月によって歌を選ぶ
百人一首の恋歌は、季節の情景と恋心が結びついているものが多くあります。挙式の季節に合わせた歌を選ぶことで、会場の雰囲気と言葉が自然に調和します。
| 季節 | おすすめの歌(冒頭) | 歌人 | 主なイメージ |
|---|---|---|---|
| 春(3〜5月) | あしびきの 山鳥の尾の…(第3番) | 柿本人麻呂 | 長い夜・待つ切なさ・桜 |
| 夏(6〜8月) | わびぬれば 今はた同じ…(第20番) | 元良親王 | 難波の水辺・身を尽くす誓い |
| 秋(9〜11月) | ちはやふる 神代もきかず…(第17番) | 在原業平 | 竜田川・紅葉・鮮やかな赤 |
| 冬(12〜2月) | 契りきな かたみに袖を…(第42番) | 清原元輔 | 涙・誓い・変わらぬ心 |
ふたりのエピソードに合わせた歌の選び方
歌を「物語」として機能させるためには、ふたりのエピソードと歌のテーマを結びつけることが大切です。たとえば、「遠距離恋愛を経て結ばれた」カップルには逢えない切なさと再会の喜びを詠んだ歌が合いますし、「一目惚れから始まった恋」ならひそかな恋の始まりを詠んだ歌が物語を彩ります。以下に代表的な「エピソード×歌」の組み合わせ例を示します。
- 一目惚れ・運命の出逢い→ 第41番・壬生忠見「恋すてふ わが名はまだき…」
- 長い交際・深まる愛情→ 第13番・陽成院「筑波嶺の 峰より落つる…」
- 遠距離恋愛・障害を乗り越えた恋→ 第20番・元良親王「わびぬれば 今はた同じ…」
- 永遠の誓いを強調したい→ 第42番・清原元輔「契りきな かたみに袖を…」
- ユーモアを交えたスピーチ→ 第40番・平兼盛「しのぶれど 色に出でにけり…」
複数の歌を組み合わせるコーディネート
招待状・席次表・スピーチ・映像演出のそれぞれに異なる歌を選び、「出逢い→深まる愛→誓い→未来への祈り」という4段階のストーリーとして配置すると、式全体が統一感のある物語として完成します。たとえば、次のような構成が考えられます。
【ストーリーコーディネート例】
招待状 → 第41番(恋の始まり)「恋すてふ わが名はまだき…」
席次表 → 第40番(幸せが顔に出る)「しのぶれど 色に出でにけり…」
誓いの言葉 → 第42番(永遠の誓い)「契りきな かたみに袖を…」
映像エンディング → 第26番(未来への祈り)「小倉山 峰のもみぢ葉…」
6. 百人一首の恋歌に関する書籍・グッズのご紹介
初心者にも読みやすい解説書
百人一首の恋歌を深く理解するための書籍をご紹介します。いずれも専門的すぎず、読み物として楽しめるものを選びました。結婚準備の合間に少しずつ読み進めることができます。
①『百人一首(角川ソフィア文庫)』——原文・訳文・解説がコンパクトにまとまった定番書。持ち運びやすい文庫サイズで、どこでも読めます。
②『恋する百人一首』——恋歌に特化した解説書。和歌の技法(掛詞・縁語)を平易に説明しており、初めて和歌を学ぶ方におすすめです。
結婚式演出に使えるグッズ
書籍以外にも、式場の装飾や引き出物・ギフトとして活用できる百人一首関連グッズがあります。和のテイストを大切にしたい方は、ぜひ以下のようなアイテムもご検討ください。
③百人一首 豪華版かるたセット——金箔や和紙を使った高品質かるた。ウェルカムスペースに飾るほか、ご両親へのプレゼントとしても喜ばれます。
④和歌を刺繍・印字した和小物(袱紗・風呂敷・扇子)——好きな恋歌を選んでオーダーできる和小物専門店もあります。花嫁の小物として、または贈り物として活用できます。
7. 百人一首を学べる・体験できるスポット
小倉百人一首ゆかりの地を訪れる
百人一首の編纂者・藤原定家ゆかりの地として、京都・嵯峨野の常寂光寺や厭離庵(えんりあん)が知られています。厭離庵は、定家が百人一首を選定したと伝えられる「時雨亭跡」として、毎年秋の期間限定で一般公開されています(公開時期は要確認)。嵯峨野散策と合わせて訪れる前撮りロケーションとしても人気があります。
また、百人一首の競技かるたで有名な近江神宮(滋賀県大津市)では、かるた関連の展示(百人一首かるた資料館)を見ることができます。
和歌・書道体験で式を彩る
結婚式の準備期間中に、ふたりで一緒に書道体験や和歌作り体験に参加するのもよい思い出になります。京都・奈良・東京の文化施設やカルチャーセンターでは、「和歌入門講座」「書道で和歌を書く体験」などが定期的に開催されています。自分たちで書いた歌を式場に飾ることで、より個性的な演出が生まれます。
和婚・神前式プランナーへの相談
百人一首の恋歌を式全体のテーマに取り込みたい場合は、和婚・神前式に特化したウェディングプランナーに相談することをおすすめします。経験豊富なプランナーであれば、歌の選定・演出構成・装飾デザインまで一貫してサポートしてくれます。
8. よくある質問(FAQ)
Q1:百人一首の恋歌を結婚式で使う際に、著作権の問題はありますか?
A1:百人一首に収録されている和歌はいずれも平安〜鎌倉時代に詠まれたものであり、著作権の保護期間(著作者の死後70年)はとうに経過しています。原文・現代語訳ともに自由にご使用いただけます。ただし、特定の書籍や資料に掲載された現代語訳・解説文には、その著者の著作権が生じる場合がありますのでご注意ください。
Q2:招待状に和歌を添える場合、縦書きと横書きどちらが適していますか?
A2:和歌は本来縦書きで詠まれる詩形です。招待状に添える場合は縦書きを基本とすることをおすすめします。特に和婚・神前式の場合は、縦書きのほうが格調と雰囲気が増します。洋婚(チャペル式)でもモダン和風のデザインを取り入れる場合は縦書きが似合います。
Q3:百人一首の中で最もポピュラーな恋歌はどれですか?
A3:知名度・引用頻度の高い恋歌としては、第17番・在原業平の「ちはやふる…」と第62番・清少納言の「夜をこめて…」が特によく知られています。映画『ちはやふる』シリーズの影響もあり、20〜30代の方にも広く親しまれています。
Q4:百人一首の恋歌は洋婚(チャペル式・レストランウェディング)でも使えますか?
A4:和の要素が少ない洋婚でも、スピーチの一節として引用したり、席次表のデザインに和歌のテキストをあしらったりすることは十分に可能です。ただし、あまり古典的な語調を前面に出しすぎると式の雰囲気と合わない場合もありますので、現代語訳を主として使い、原文は添える形にするとバランスが取りやすいといわれています。
Q5:スピーチで和歌を引用する場合、読み方(よみかた)がわからない漢字はどう対処すればよいですか?
A5:和歌の読み方(よみ)はすべてひらがなでルビ(振り仮名)を振った資料を事前に用意し、スピーチ原稿にも読み仮名を書き添えておくと安心です。代表的な解説書(角川ソフィア文庫版など)には全歌に読み仮名が付いています。
Q6:ふたりで選ぶ「ふたりの歌」をどう決めればよいですか?
A6:まず「この式で伝えたいメッセージ」を言語化してみることをおすすめします。「永遠の誓い」「出逢いへの感謝」「笑いあふれる未来」など、テーマが決まれば、そのテーマに合った歌を複数の解説書で探すことができます。また、生まれ月・出逢いの季節・思い出の場所にゆかりのある歌枕(地名)を手がかりに選ぶ方法もあります。ふたりで一緒に百人一首の絵札を眺めながら「この歌の絵が好き」「この意味が刺さる」と話し合う時間そのものが、素敵な結婚準備になるでしょう。
Q7:和歌のフォント・デザインで気をつけることはありますか?
A7:招待状や席次表に和歌を印字する場合、フォントは游明朝・ヒラギノ明朝・源ノ明朝などの明朝体(または筆書き風フォント)を使用すると和歌の雰囲気に合います。ゴシック体や丸ゴシック体は現代的な印象が強く、和歌の品格と合わない場合があります。また文字の大きさは小さすぎず、余白を十分に取った縦組みレイアウトにすると格調が高まります。
Q8:百人一首の恋歌を覚えるための効率的な方法はありますか?
A8:まずは「使いたい歌」を5〜10首に絞り込み、その歌だけを集中して覚えることをおすすめします。現代語訳と一緒に声に出して繰り返し読む(音読)方法が効果的といわれています。市販の百人一首アプリ(かるたゲーム形式)や、YouTubeの読み上げ動画も記憶の定着に役立ちます。
9. まとめ|百人一首の恋歌が結婚式に添える「千年の言葉」
百人一首の恋歌には、平安・鎌倉の歌人たちが精魂込めて詠み上げた「愛の言葉」が、千年の時を超えて息づいています。切ない恋心・揺るぎない誓い・幸福への祈り——これらは時代を超えて共鳴するものであり、現代の結婚式においても十分に輝きを放ちます。
大切なのは「難しい古典を引用する」ことではなく、「ふたりの物語に合った言葉を選ぶ」ことです。10首の中からひとつでも「これだ」と感じる歌に出会えたなら、それがあなたたちの「ふたりの歌」になります。招待状の余白にそっと添えても、誓いの言葉に織り込んでも、映像の最後に映し出しても——和歌の言葉は必ず、その場に静かな感動をもたらしてくれるはずです。
百人一首の恋歌を式全体のテーマとして取り入れる「和歌コーディネート」は、まだ多くのカップルが試みていない特別な演出です。ゲストの記憶に残り、何十年後も語り継がれる式にするために、千年の言葉の力を借りてみてはいかがでしょうか。
書籍・かるたセット・和小物など、結婚式の演出に役立つアイテムは以下のリンクからもご確認いただけます。大切な一日の準備に、ぜひお役立てください。
【免責事項・出典注記】
本記事の情報は執筆時点のものです。行事・作法・商品の価格・仕様・施設の公開状況は地域や時期によって異なる場合があります。正確な情報は各神社・寺院・施設の公式サイトまたは担当窓口にてご確認ください。和歌の現代語訳は複数の解釈が存在する場合があり、本記事に掲載した訳文はあくまでも代表的な解釈のひとつです。
【主な参考情報源】
・公益財団法人 小倉百人一首文化財団 公式サイト(https://www.karuta.or.jp/)
・近江神宮 公式サイト(https://oumijingu.org/)
・国立国会図書館デジタルコレクション 『百人一首』関連資料(https://dl.ndl.go.jp/)
・角川書店『百人一首』(角川ソフィア文庫)——島津忠夫 校注
・文化庁「国語施策情報システム」(https://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/)
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